【リビング学習】の収納アイデア 成功させるポイントとは?
- 2021/09/11
- リビングやホールなど”子供部屋以外の共有スペースで子どもが勉強をすること”が【リビング学習】と呼ばれています。以前から子供が居間で学習することは普通にあったけど・・?とも思いますが、リビング学習について書かれたものなどを読んでみますと〔子供1人に1個室、個室に学習机〕という従来の子供部屋に反して、あえて個室でなくリビングで勉強や宿題をする、そして子供の学年が低い間は両親が勉強をサポートするという意味も含んでいるようです。
今回はリビング学習について、そのメリットや間取りのポイント、施工事例などをご紹介します。
リビング学習のメリット
リビング学習は両親が勉強をサポートするのに向いています。そのメリットは、・家事をしながらでも面倒をみることができる
・短い時間でも密なコミュニケーションが取れる
・勉強以外の片づけや持ち物などの管理もしやすい
など。忙くても教育をおろそかにしたくない、と考えるご両親にとってはメリットがたくさんありますね。また、・子供部屋に学習拠点を置かない分、子ども部屋の面積を狭くできる
という嬉しい間取り上のメリットもあります。こちらはお子さんにとっては嬉しいかわかりませんが、コストダウンにもつながるので新築やリフォームを計画しているご両親にとっては大きなメリットです。リビング学習を成功させるポイントとは?
メリットがたくさんある【リビング学習】ですが、一方で、子供の教材やプリントでせっかくのリビングが雑然としてしまうのも事実。それらの収納場所を確保しておかないと、ちらかった部屋のストレスで常にイライラ・・なんてことも。間取り面では、教材や文房具の収納も一緒に計画するのがポイントです。収納家具に関しては色々な考えがありますが、特に私が設計で取り入れているのは次の3つのポイントです。リビング学習に取り入れたい収納のポイント3つ
なるべくシンプルな収納・家具にする
以前に比べて子供用の家具もシンプルで長く使えそうなデザインのものが増えてきました。大人になっても使用に耐えられるように、デザインだけでなく素材面でも丈夫で、安全なものを選ぶのがお勧めです。壁面を利用する
限られたスペースに収納を集約するには、壁面の利用が効果的です。縦のスペースを活かしていきましょう。造りこみすぎないこと
DIYやちょっとした改修で対応できる余地があれば、お子さんの成長や家族構成の変化に合わせて変化していくことができます。
最初から完璧に作ってしまうと壊して作り直すのが大変です。
リビング学習の実例
アトリエ椿で設計した【リビング学習】のためのワークスペースの実例をご紹介します。1.リビングの一角に作り付けた学習スペース
写真_畑拓家族が共有で使えが書棚もあり、両親とコミュニケーションを取りながら学習をすすめることができます。オープンな空間なので、圧迫感の出ない適度なボリュームの本棚を設けています。机や本棚はヒノキの板で作っています。ヒノキは扱いやすい木材ですが、適度な強度があり木目も素直なので飽きがきません。無垢板を使った家具は合板のものよりも耐久性も高く人体に安全な反面、値段が高いのが難点です。その点、造り付けならある程度コストをおさえて取り入れることが出来ます。2.リビングとつながるピアノ室兼学習スペース
写真_小野寺宗貴
リビングとガラス付きの扉で仕切れるようになっているこちらの部屋は、防音室にもなっています。もともとピアノ室として考えていた部屋ですが、天井に吸音材を張った室内は音の反響が少なく、静かなので学習やテレワークオフィスとしても快適な空間になりました。
造り付けの本棚、吊戸と壁面を活用して収納も多数設けています。
向かって正面のスペースに机を置く設定で、電源やLAN配線を施してあります。
板張りの壁は時間割やプリントなどを貼るのにも便利です。竣工後にご訪問したところ、大きな世界地図が貼られていました。
自分で手を加えやすいという点では板張りの他、有孔板やホワイトボード、黒板などの壁も人気です。
3.階段ホールにワークスペースをリフォームで新設
写真_小野寺宗貴
リフォームで間取りを変更して、以前6畳の個室だった空間をホールにしてワークスペースを作りました。ホールになって広がりが出て、閉塞感のあった以前の個室よりも快適に過ごせているそうです。
お引越し後の様子です。お手持ちの家具と収納で上手に使っていらっしゃいました。こちらは大人用のワークスペースですが、子供のワークスペースとしても活躍しそうです。移動のためだけの空間になってしまう廊下や階段ホールを活かしていくと、家の中のスペースを無駄なく使うことができます。