【古民家改修】ボランティアで雨落ち製作 その2 ~柏市下田の杜にて
- 2021/08/31
古民家の雨落ち製作について、前回の記事の続きになります。
柏市酒井根の里山に残る【まてや】の保存・維持活動。古民家改修や調査の実地訓練の場としても貴重な機会をいただいております。
具体的な『雨落ち』製作を工程ごとに振り返ってみます。
下田の杜「まてや」 雨落ち施工の記録
手順①
採寸→遣り方(水杭、水貫、水糸)
まずは採寸して位置出しをします。素人には難しいのが位置出しのやり方です。
ここでは、というか全般的に建築士会柏支部メンバーでもある、大工の渡辺さんが活躍してくださいました。渡辺さんは寺社も手掛ける超一流工務店、株式会社工匠堂の社長さんです。
昨年の12月ごろの作業です。
手順②
根切り→土留め施工
溝になる部分が決まったら土を掘っていきます。今回は土が柔らかかったので意外と楽でした。
溝の両側の土が崩れないように、土留めに瓦、石などを並べていきます。
今回はよく人が通るところは見た目が良く強度もある御影石、あまり人が通らない裏側には瓦や石を使っています。
手順③
埋め戻し→砕石施工
溝が崩れないように土を踏み固めたり、最終的な仕上げをしていきます。
手順④
雨樋撤去
雨の道が出来たら、やっと雨どいを外す事ができます。
高所作業です。
樋の中には腐葉土と化した落ち葉や、芽が出てしまった樹木も。
以前に屋根から生えた樹が建物を縦に貫通して、基礎まで根を下ろした建物(土蔵)を改修したことがあります。木造の民家は植物と親和性の良い木材や土を使った建物だけに、自然に還るのも非常に速いというが良くわかります。
ようやく完成しました!
今までは何気なく見ていた雨落ち。
やってみると「大変な作業だったなぁ~」というのが正直な感想です。
毎回5,6人で9回×3時間ですから、結構人手もかかりました。
ボランティアメンバーで手作りした雨落ちですので多少不格好なところもあるかもしれませんが、今後も建物の寿命を延ばしてくれることを願います。
ご協力いただいた皆様、お疲れ様でした❣