建材の安全性について ~アスベスト被害から考える|News & Topics|柏市の設計事務所「木の家設計室 アトリエ椿」 古民家リノベーション

建材の安全性について ~アスベスト被害から考える

2021/06/30

普段の情報源はラジオやインターネットが多いのですが、ラジオでは「アスベスト被害」の賠償金請求のお手伝いをする弁護士事務所のCMなど良くを耳にします。

 

この「アスベスト」、若い方ですと昔の素材のように感じるかもしれませんが、完全に使用禁止になったのは結構最近のことです。

 

Wikipediaによると、

建物などの断熱材や防火材、機械などの摩擦防止用などに大量に使用されるが、1970年代に入ると、人体環境への有害性が問題になった。発ガン性などが問題となり、日本では2006年(平成18年)9月から、化学工業プラント配管同士の接続に使用される「シール材」などの5製品を除き、原則禁止になった。

2008年(平成20年)4月には、例外的に認められていた5製品についても2011年度(平成23年度)を目途に全廃することとし、同年度以降、新たな石綿製品は日本では製造されないことになった。

とあります。

 

健康問題が顕在化してから30年以上も使われていたなんて、と思ってしまいますが・・

素材としての有用性があったために、被害を知りつつも即廃止にならなかったことがうかがえます。

 

新たに製造するのはやめになったとはいえ、配管や建物の寿命を考えるとまだまだ現役で使われていますし、私も実際に工場や物流倉庫で目にしたことがあります。

働き始めた当初はそれほど危険性が浸透していなかったのか、そのような場所にも普通に立ち入っていました。(結構前の話ですが)

 

アスベストを摂取してから実際の健康被害が出るまでの時間、いわゆる潜伏時間は15~50年と政府が発表しています。また、被害者としてカウントされない、因果関係が不明瞭なガンなども多数発生していると思われます。

現役の時に一生懸命働いてきて定年後に旅行や趣味を楽しもうと思っていた矢先に体調を崩すことを考えると、本当に痛ましいです。

 

今後建物を建てていくうえでアスベストを使うことは考えられません。

しかし、アスベストも最初は「夢の素材」として工業製品や建築に利用されていていました。

歴史を見ても、ひとつの薬や化学物質が人体にどれだけ害があるのか、その因果関係がはっきりして、さらに規制されるのにはとても長い時間がかかるということがわかります。

 

私たちは、アスベストのように長い時間をかけて人体や地球をむしばんでいく化学物質が、今のところ規制が無いからと便利な建材として使われている事実を憂慮しています。

 

無垢の木や土、漆喰、瓦といった昔ながらの材料は工業製品でないので、決まった品番がありません。

これらは長い年月、日本の風土となじんできた安心できる素材といえます。

 

安心して健康に長生きするというシンプルな生活を守る為に、アトリエ椿では自然素材の家づくりをおすすめすしています。

長い目で見て後悔のない選択ができるように、そして次世代のために、できる限りのことをしていきたいと思います。

 

 

 

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