柏市【土間のある家】網代天井
- 2021/03/25
前回のブログ更新からあっという間に一か月経ってしまいました。
事務所の窓からは公園の桜が良く見えます。窓の外が明るくなって、春だなぁと一人ウキウキしています。
それにしても・・電線がジャマですね・・
柏市の新築現場では竣工に向けて、内装工事や家具工事が進んでいます。
こちらは玄関。天井は、網代(あじろ)天井という伝統的な和のデザインです。
網代とは、杉や竹を薄く裂いたものを編みこんで模様にしたもので、今回のような矢羽模様の他に市松模様、亀甲模様なんかも見たことがあります。
茶室や数寄屋建築には欠かせないデザインですが、普通の住宅でも玄関や床の間、廊下などちょっとした所をおしゃれにしたい時に使ったりします。
使い方のポイントとしては、天井を高くし過ぎないことと、網代をおさえる棹縁(天井板の下にある木の棒状のもの)まで一緒にデザインすることです。
天井を高くし過ぎないとは、網代天井のような数寄屋風デザインでは天井高さを低めに設定した方が落ち着きが出て、且つプロポーションが良くなるからです。
部屋の広さによっても変わってきますがこの玄関は天井高2200mm、場所によってはもっと低くする場合もあります。
天井を低くすると壁のプロポーションも縦長から横長に近くなり、より重心が下がって良い雰囲気になります。
網代をおさえる棹縁に関しては、今回は杉材を猿棒面取り(下から見ると細く見せるために加工した形)したものを使っています。
断面はこんな感じです。
他にも棹縁を格子状にしたり、漆を塗ったものを使ったり、竹を使ったりと組み合わせで部屋の印象が変わってきます。
ちなみに、網代は杉や竹を1枚1枚板を編んでいくものですが、現在では大抵は『網代ベニヤ』という既にボード状になっているものを使います。
材料選びや部材のサイズ感が難しい和風のデザイン。
でも、少し取り入れると家の雰囲気が引き締まり、住む人の背筋も伸びるような気がします。
設計者としても、大好きな木を使った素晴らしい日本の大工技術を間近で見ることはとても愉しいものです。
千葉県柏市を中心に木の家や木を使ったインテリア、キッチンや収納の設計もしております。
新築から古民家まで、どうぞご相談ください。