十和田石・板張りの在来工法の浴室リフォーム
- 2020/04/29
コロナウィルスの影響で、在宅ワークを余儀なくされたり、お店が休業になったりと
感染の恐怖と経済の落ち込みのニュースばかり聞いていたようなこの1か月です。
在宅ワークの進まない旧い体質の建築や不動産業界ですが
規模の大きな工事、大手建設会社のからむ現場では、やはり4月初頭くらいから
工事がストップしている様子です。
さて、そんな中ですが地元中心で仕事をしている工務店やビルダーの現場では
ソーシャルディスタンスをとりながらも、粛々と現場作業が進んでおります。
昨年から取り掛かっていた千葉県内のリフォーム工事が
ようやく終わりに近づいてきました。
こちらはお施主さんの不満が一番大きかった、浴室のリニューアル工事です。
もともと、十和田石とさわらの板張りで丁寧につくられていた在来工法の浴室なのですが
水分を毎日取っていても壁と天井の木にカビが出てしまう、
お湯がすぐに冷めてしまい、入浴中は常に追い炊きをしている、
そんな状態が続いていたそうです。
一日の疲れを癒す場所が、一番のストレスの元になってしまっている。
そんな状態ですから、ご家族の中でも特に奥様は心労を抱えていらっしゃったと思います。
リニューアル工事では、下のような手順で作業しました。
①木部(壁・天井)のカビはアク洗いで落とす。
アク洗いとは、木部のカビやシミ、汚れを落とす工程です。
専用の漂白剤でカビをおとしていきます。
サンドペーパーなども併用していきます。
②カビの取れた壁に木材保護塗料を2回塗りする
今回はオスモの半ツヤの塗料をつかいました。
③浴槽を断熱浴槽に交換
浴槽のまわりに断熱材のついたタイプのバスタブに変更しました。
今回は、リクシルの人造大理石の浴槽を使っています。
人造大理石にはポリエステル系とアクリル系の2種類がありますが、
今回は汚れの付きにくく、耐候性・耐衝撃性にすぐれるアクリル系の人造大理石を使いました。
価格はアクリル系の方が若干高いのですが、お掃除のことや耐久性を考えるとこちらがおすすめです。
ただ、性能の差は若干ですし、見た目もほとんど変わりませんので
ポリエステル系のものでも大きな遜色はないと思います。
④浴槽まわりの石の張替え、石のクリーニング
十和田石も使っている間に黒ずんできます。
これもカビなのですが、普通のメンテナンスでは取れにくいところを
石屋さんにきれいにして貰いました。
元のとおり、壁や石も綺麗になり、温泉に来たような癒し空間に。
おそらく光熱費も随分違ってくるはずです。
在来工法の風呂の場合、、全面的にユニットバスに交換を考える場合も多いかと思います。
今回は石の工事があり、それなりに費用はかかりましたが
今の浴室を解体して、ユニットバスに交換した場合にくらべて費用は1/3ほどで施工できました。
何より、この本物の石と木でつくられた、味わい深い浴室をリニューアルすることができて良かったです。
水回りのリフォームは設備を更新するだけ、と簡単に考えがちですが、
新しい設備は以前のものと寸法が違っていたり、見えないところで配管が劣化していたりと
新築よりも難しい部分があります。
ひとつひとつ、丁寧に取り組んでいこうと思います。
そして、リフォームをきっかけに、暮らしのストレスを取り除くことができるように、
プラスアルファのご提案をしていこうと思います。