「ものいう仕口」展 感想
- 2020/02/16
京橋のINAXギャラリーで開催中の「ものいう仕口」展を見に行ってきました。
展示してあるのは、世界遺産の白川郷の合掌造りの民家の柱や梁を解体した部材です。
かやぶきの重い屋根を支えるための、立派なケヤキの梁や、40㎝近い太さの大黒柱など。
その構造の肝となるのは、接合部である、仕口(しぐち)や継手(つぎて)です。
組みあがってしまうと見ることはできませんが、
そこには日本の大工ならではの技術が終結しています。
迫力と、圧倒的な存在感がありますね。
仕口とは、建物の骨組みの柱・梁を組み合わせる時の加工のことを指します。
展示してある仕口には、柱や梁として建物を支えていた時に
どのような組み方をされていたのかわかるように、復元図が添えてあります。
今回は部材の調査や復元図の作成を担当された伝統技法研究会のギャラリートークもあり、
詳しく加工の意味を解説していただきました。
展示パネルや照明も美しいですね。
これらの部材は、自らもかやぶきの民家を移築して住まわれている
古民家の収集家の方のコレクションだそうですが、
同じものをアメリカのギャラリーで展示したところ、アートとして高い評価を受けたこともあり、
この度の展覧会の国内開催となったそうです。
柱の一部、と見ても勉強になりますが、
アートと見ても、素朴な力強さが心地よい展示でした。