住宅省エネ技術講習会に行ってきました。
- 2016/12/01
先日、国土交通省の事業である、住宅の省エネルギー技術に関する講習に行ってきました。
省エネ基準は平成11年に初めて制定され、平成25年に改正され、今後は平成28年基準に沿って運営されていくことになります。平成28年基準は平成25年基準と大きな枠組みは変わりませんが、計算過程や詳細が見直されてより精密なエネルギー消費がわかるようになっています。また、今までは『仕様規定』といって、建物各々の計算をしなくても決められた性能以上の断熱材やガラス窓を使えば基準をクリアしていたところ、今後は『仕様規定』は継続してあるものの実際の建物に当てはめるとかなりの高性能になり、結果としてコストが大幅にあがってしまうことから計算で建物の断熱性能などを求めることが必須となりそうです。
と、ここまでは作り手側の話なのですが、では消費者にとってはどのようなメリットがあるでしょうか?
建物の省エネルギーに取り組む3つの視点ごとに説明をしたいと思います。
1、必要となるエネルギー量を少なく・・・建物の断熱化をして冷暖房の負荷を低減
断熱化するメリットは光熱費の削減だけでなく、家全体の温度差が小さくなりヒートショックによる家庭内の事故を防いだり、朝がたの室温が低くならなかったりと暮らし全般が快適になります。それだけでなくカビや結露も減り、建物の寿命も、住む人の健康寿命もより長くなります。
省エネ法により断熱に関する意識や需要が高まり、性能の高い断熱材やサッシの価格が下がることが予測されます。暮らしの快適性の基準がより欧米型に近づき、『我慢や制約のある生活』から、『暮らしを楽しむ余裕』が生まれることとなっていくでしょう。
2、効率よく使う・・・設備機器の高効率化+自然エネルギーの活用
設備機器は冷暖房機器、換気設備、給湯設備、照明設備などです。機器の省エネ化のスピードははやく、例えば住宅用の照明器具は特殊なものをのぞいてほぼ100%、LEDに変わりました。
プラスして太陽光や熱を利用したエネルギーを創る技術も住宅に取り入れることが珍しくなくなりました。
住宅の断熱化や窓の交換などは新築でないと難しいですが、高効率の設備機器への変更はリフォームでも可能です。省エネリフォームへの助成金などもありますので、古い設備の交換は今がチャンスかもしれません。
3、上手に住まう・・・住まい方でエネルギー消費を減らす
今回の省エネ法の改訂で完全に取り上げられたわけではありませんが、暮らし方で省エネをすることは皆さんも自然と取り入れているのではないでしょうか。
省エネの計算上は庇や軒を出して夏場の日差しを防いだり、カーテンや障子で断熱することなどがポイントとして加算できます。そのほか、窓の開け閉めや緑のカーテンなども有効ですね。省エネ法の内容はこれからも改正していくと思いますが、このような生活技術や建物の工夫に関しても評価できるようになると、本当の意味での省エネルギーな生活の実践が可能になると思います。
簡単にできる窓の断熱について、ブログでも記事を書きましたのでご覧ください。
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