時を紡ぐ家_築70年の古民家をスタジオにリノベーション【学びと交流の場 古民家やご】
2025年3月末に竣工した古民家再生プロジェクトは、時の流れが刻んだ痕跡を大切にしながら、新しい息吹を吹き込む試みでした。
「壊さず・変えず・活かす」というシンプルな理念のもと、築70年の日本家屋が地域の交流拠点として生まれ変わりました。
柏市都市部住環境再生課「おうち活用事業」の助成金を活用したこのプロジェクトは、空き家の新たな可能性を探求し、地域の住環境向上に貢献することを目指しています。現代の目線では「欠点」と捉えられがちな経年の傷や古い間取りも、この建物が歩んできた物語の一部として大切に保存しました。
日本建築の真髄を感じさせる木製建具、心地よい光が差し込む縁側、豊かな空間体験を生み出す続き間。こうした伝統的な要素を活かしながら、現代の暮らしに寄り添う機能性も確保しています。畳の香りと木の温もりが共存する空間が、忙しい現代人の心を静かに癒してくれることを期待しています。
長い歴史を経てきた家屋が新たな役割を得て再生する。それは建物だけでなく、地域のつながりも再生させる試みです。この古民家が、世代を超えた交流の場として、これからも多くの物語を紡いでいくことを願っています。
施工場所:千葉県柏市藤心 構造・規模:木造平屋建て 160㎡
施工:木工事・設備工事 莇工務店 左官工事:有限会社 谷中工業 電気工事:早川電気 エアコン工事:永井電業
設計監理・撮影:木の家設計室アトリエ椿
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