ゆったりと築50年の古民家リノベーション【柏市布施 バーンハウス】
築50年の古民家のリノベーション
農地に寄り添うこの古民家は、農業を営むお施主様がセカンドハウスとして使用する目的で購入され、そこからリノベーション計画が始まりました。
長年の間に増改築で複雑化した間取りを整理し、耐震性や断熱といった建物の性能を優先的に改善。もともとの構造体は活かしつつ現代の暮らしに合うよう穏やかな変化を加えています。
広々とした土間スペースは作業場や資材置き場として有効活用される予定です。不要な柱や壁を慎重に取り除き、開放的な空間を創出しました。
もともとの家屋は築年数が経っていること、数年空家になっていたこともあり外装や設備などの状態は良くありませんでした。内部は和室が続き間になっている典型的な日本家屋の間取りでしたが、北側に水回りを増築していることに加えて、古い塗り壁が変色していることもあり、光や空気の動きが感じられない暗い印象でした。
しかし、柱や梁はしっかりしていましたので、劣化していた屋根材の葺き替えと一部傷んでいる所を補強して、構造部はそのまま使うことが出来ました。古い木材と新しい材料を組み合わせることで、新築では味わえない独特の雰囲気が生まれています。これこそがリノベーションならではの醍醐味と言えるでしょう。
内装は熟練の職人による丁寧な仕上がりが特徴です。歪みのあった箇所も綺麗に仕上げられ、隅々まで行き届いた仕事ぶりが光ります。キッチンは思い切って最新式に一新し、大きな窓からは畑の景色を楽しむことができます。
外壁には柔らかなミントグリーンのガルバリウム鋼板を採用。周囲の自然と溶け合いながらも、さりげなく新しい表情を見せています。
空家だった古い木造住宅に現代の快適さが融合し、機能的な住まい兼作業場が完成しました。新旧の要素が調和した唯一無二の空間が作られています。
施工場所：千葉県柏市
施工面積：約21坪
施工：莇工務店
撮影：木の家設計室アトリエ椿
